2011年7月5日火曜日

アバンティのオーガニックコットンウェアに見る、メイドインジャパンのモノ作り

6/22(水)にメビック扇町で行われたイベント、CREAM DESIGN PROJECT OSAKA [Social Propose]のオープニングイベントに行ってきました。


CREAM DESIGN PROJECT OSAKA [Social Propose]
“Cream Design Project OSAKA”が企画する本展「ソーシャルプロポーズ」は、デザイナーやクリエイターが社会の課題に対して積極的にプロポーズ(提案)していくことで、デザインと社会の新しい関係や可能性を見つけ出す試みです。


この日はパネラーとしてオーガニックコットンウェアメーカー(株)アバンティの社長である、渡邊智恵子さんと、(株)HAKUHODO DESIGNの社長、永井一史さんが発表されました。

オーガニックコットンを使って商品開発を行う(株)アバンティは、原材料のオーガニックコットンのフェアトレードにこだわり、製造はメイドメイド・イン・ジャパンにこだわるメーカーです。そんな(株)アバンティの取り組みとして、アメリカのコットン畑の現状の紹介から始まりました。今回は主に渡邊さんのお話が聞きたくて参加しました。
テキサスのオーガニックコットン畑〜「avanti philosophy」より


オーガニックコットンは、3年以上農薬や化学肥料を使わない畑で栽培された綿花のことですが、その栽培方法を継続していくのは大変なことなのだそうです。
残念ながら、日本では産業として使える程綿花栽培が行われていないそうで、この(株)アバンティのオーガニックコットンは、アメリカのテキサスから原綿を輸入しているそうです。
始まりは土、そして種〜摘み取った綿花を収穫〜

綿は世界で消費される繊維の70%を占めるそうですが、そのうちオーガニックコットンは僅か1%なのだそうです。この大半の綿は発展途上国で栽培されているそうです。ここで主に使用されているのはF1種という、次世代に種を残せない一代限りの品種で、これにより栽培農家は毎年高額の種を借金して種苗メーカーから買わなければいけない状況に陥っているそうです。この経済苦から、インドでは毎年10万人の農家が自殺に追いやられているという状況だそうです。

そこで、(株)アバンティではF1種ではない固定種によって、農家が食べていける農業へ戻そうと、フェアトレードにこだわっているそうです。

「メイド・イン・ジャパン」という品質を求めて
この企業では、メイドインジャパンにこだわるため、日本全国139社とのお取り引きをして、各地の職人さんたちと協力しあって製品作りをされているそうです。
渡邊さんがメイドインジャパンにこだわる理由は,日本の手仕事の技術を残したいと考えるからです。
日本はモノ作りで発展してきた国です。その日本がモノ作りをやめてしまったら国は衰退してしまう可能性が大きいと考えるため。そして第一次産業、第二次産業があって初めて第三次産業も成り立つ。その第一次産業と第二次産業を継続していくために、渡邊さんはメイドインジャパンにこだわるそうです。
それはおそらく、グローバリゼーションの波の中では、かなり厳しい選択ではないかと思います。しかし、それをあえて貫く渡邊さんの姿勢に、とても強い信念を感じました。

こういった社会全体を考える企業姿勢が、渡邊さんが「社会起業家」と呼ばれる由縁なのでしょう。

顔の見える職人たちの手仕事

オーガニックコットンは、あらゆる行程で手間がかかるそうで、その作業を人件費の高い日本で行おうとすると、現在の流通では安く作れるわけがありません。
早くて、安くて、たくさん作る今のモノ作りには到底足並みの揃わない商品です。
しかし、それをあえてこだわり選択する理由は何なのだろう?と思いました。

そこには、日本の古くからの経営哲学にある「三方良し」の考え方を実践しようとする渡邊さんの考え方が根底にあるように感じました。
渡邊さんによると、1000年以上続いている企業が世界中で十数社あり、そのうち7社が日本の企業なのだそうです。これは、売り手よし、買い手よし、世間よしの三方良しの考え方が古くから根付いている証拠だとおっしゃいました。

最近よく「ソーシャルビジネス」という言葉がよく使われるようになりましたが、このソーシャルビジネスのあり方は、日本では近江商人の経営哲学としてすでに実践されていたことなのでしょう。

流行に左右されるファッションの世界で、自分たちにしかできないオーガニックコットンのビジネスを、無理せず長く続けていくためには当然の選択なのかもしれません。


子どもの心と体を育てる事に布の「おしめ」は大事な役割を担っている。

最後に渡邊さんの、「愛はお金では買えないけれど、お金に自分の気持ちを託す事はできる。」という言葉が印象的でした。
震災で仕事を失った人たちも、仕事があれば希望が生まれる。そのためにも5万人の雇用を創出するビジネスとして成長させたいという渡邊さんの意気込みに、スケールの大きさを感じました。






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